学会の紹介
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理事長挨拶

ご挨拶

特定非営利活動法人 日本歯周病学会 理事長
吉成 伸夫

理事長

第26期理事長を拝命しております松本歯科大学の吉成伸夫です。長きにわたる伝統と新しい知見を創造してきた輝かしい歴史を持つ日本歯周病学会運営の重責に、身が引き締まる思いです。同時に、将来に向けて新たな「改革」が必要であると強く感じています。以下に私の所信を述べさせていただきます。

日本歯周病学会は、国民病ともいわれる歯周病を克服し、1歯でも多くの歯を残すことを目的に、基礎から臨床まで幅広い研究を行い、人類と社会の福祉に貢献する学術団体であり、65年以上にわたり活発に活動しています。主な活動は、学術集会の開催、機関誌・ガイドライン等の図書の発行、国際交流、顕彰、啓発活動です。現在、歯周病は他臓器や疾患の併存症として関連しており、あらゆる生体制御系との関連についての研究が進行中です。臨床においては、歯周組織再生療法の細胞応用や新たな手技の考案・改良、日本歯科専門医機構認定歯周病専門医の育成・維持、国民皆歯科健診への準備・提言、さらに急速に発達・普及するAI、ICT技術、PHRの対応・導入を通して、「国民の健康」という実益のため、これらを社会実装することが期待されています。

また、今年は団塊の世代が後期高齢者となり、超高齢社会がますます進行しています。このため、高齢者の歯周病罹患率上昇への対応も急務です。本学会の会員数は順調に増加(13,255名、2025年8月31日現在)していますが、さらなる発展を遂げるためには、本学会の強みである研究を中心に変化することが必要です。前理事長の沼部幸博先生は「継承」と「挑戦」を基本理念として多くの課題に丁寧に取り組まれました。今後は、COVID-19パンデミック以後のリモート技術の普及に伴い、新たにDX委員会を立ち上げ、学会の業務改善や医科歯科連携、医療ビッグデータ分析などに取り組んでまいります。また、歯周病研究を学会主導で進め、多くの会員が参画する大規模調査研究データの蓄積や国際学術誌への公表を行います。

さらに、臨床家のためにICT技術の活用、臨床研修でも自験不十分の臨床技術ハンズオンの開催など、卒後・生涯研修に役立つような育成支援を図ります。そして多様性を尊重する学会として、若手や女性役員の増加、会員数の維持・増加計画のような長期視点に立った将来構想を立案、議論したいと思います。これにより、将来に夢を託せる学会として入会しやすい体制を構築し、会員数の増加を図ります。

私は、開業医、勤務医、大学教員、歯科衛生士の会員各位や本学会を支援してくださる企業様から意見を反映して、会員目線で上述の改革を推進していきます。今後10年、さらには50年以上にわたり持続可能で、活気ある日本歯周病学会の基盤を作ることを目指し、皆様と共に邁進する所存です。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

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