学会の紹介
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理事長挨拶

ご挨拶

“歯周病撲滅”を目指した体制整備を進めます

特定非営利法人 日本歯周病学会理事長
(広島大学大学院医歯薬保健学研究科)
栗原 英見

理事長

平成29年4月から2年間、特定非営利法人 日本歯周病学会の理事長を務めることになりました。本学会は昭和32年(1957年)に日本歯槽膿漏学会として設立され、昭和43年(1967年)から「日本歯周病学会」と改名、平成15年(2003年)に現在の「特定非営利活動法人 日本歯周病学会」となりました。今年で学会創設60周年を迎えます。会員数は1万人を超え、日本の学会の中でも有数な学会です。日本歯周病学会は、歯周病の治療・予防を通じて国民の健康増進に貢献することを目指して、歯周病の原因の究明、新しい検査法・診断法・治療法の開発と普及、専門医・認定医の養成、認定歯科衛生士の育成、歯周病予防などの活動を行っています。また、これらの学会活動は国内外の学術団体等と連携して行われています。

近年の研究から歯周病は糖尿病、慢性腎臓病、血管障害、早産・低体重児出産、関節リウマチ、非アルコール性脂肪性肝炎などの多くの疾患の発症や悪化に関連することが明らかになりつつあります。実際、ある企業の保険組合の大規模な調査結果から、歯周疾患を有する人の年間総医療費は、歯周病が無い人のそれよりも高く、特に60歳以上ではその差が大きくなっていることが明らかにされています。このように、歯周病は単に口の病気だけではなく、全身的な健康を維持する上で“鍵”となる極めて重要な病気です。

最新の調査結果(平成23年度歯科疾患実態調査)では、歯周病がある人(4mm以上の歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)を有する人)の割合は、調査の度(6年に1回調査)ごとに低下傾向にはあるものの、依然として年齢が増すごとに罹患率が上がる傾向が続いています。また、最近3回の調査結果の特徴は65歳以上で歯周病の罹患率が急上昇していることです。これらの歯周病を取り巻く環境を考えますと、医科の専門医との連携強化と高齢者に対する歯周病治療の推進が重要です。

本学会が今年創設60周年を迎えるに当たり、「歯周病撲滅」という大きな目標をたて、これを達成するために日本歯周病学会会員が一丸となった体制を整備することを第一としたいと考えています。具体的には、「①若年者に対する歯周病の理解と予防、②働く世代への歯周病治療の強化と医科歯科連携、③高齢者の歯周病治療の推進」を学会活動の3つの柱としたいと考えています。本学会の最大の強みであります基礎研究力をさらに伸ばし、世界をリードする新しい診断法、治療法の開発に繋げます。また、本学会が認証する「専門医」、「認定医」、「認定歯科衛生士」は、広く国民に認知され信頼されることは元より、医師、看護師等の他の医療者にも認知され信頼されるものでなくてはなりません。さらに、医科歯科の連携を強化するために、これまでの治療に特化した指標に加えて、歯周病全体を捉え、全身への影響を推し量れる新たな指標の創出と普及のために臨床研究を推進します。

国民の皆様の御理解と、関連する諸団体・組織の皆様方の御理解・御協力を心からお願い申し上げます。

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